健康経営で重視する主要指標とは？指標を活用したPDCAの回し方を解説

企業における健康経営を推進するためには、適切な指標を設定し、効果的にPDCAサイクルを回すことが重要です。本記事では、健康経営における主要指標とその活用方法について詳しく解説。企業が健康経営を成功させるためのステップと、具体的な取り組み例をご紹介します。

健康経営における指標の考え方

健康経営の効果を最大化するためには、正しい指標の設定が欠かせません。企業は健康経営を推進する目的を明確にし、それに沿った指標を活用することが重要です。以下では、健康経営の指標の考え方について解説します。

指標を設定する目的

健康経営における指標設定は、企業の健康戦略を成功に導くための道標となります。指標を設定することにより、企業の健康経営の取り組みがどれほど効果的かを測定し、改善点を見つけることができます。また、指標は経営層に対して成果を報告する際の根拠となり、企業全体で健康経営への理解と協力を得やすくします。

健康経営の効果を可視化する主要指標

健康経営における効果を可視化するためには、複数の指標を組み合わせる必要があります。例えば、従業員の健康状態や業務パフォーマンス、企業の健康投資などを示すスコアを主要指標として設定し、その効果を継続的にモニタリングします。これにより、企業は健康経営の進捗を適切に把握し、改善策を立てることができます。

健康投資の取り組み状況に関する指標（アウトプット指標）

健康投資に関する指標は、企業がどれだけ積極的に健康経営のために資源を投入しているかを示すものです。具体的には、健康施策に対する予算の投入額や、従業員向けの健康施策実施数、従業員の健康に対する支援制度の利用状況などが該当します。これらの指標は、企業の健康経営に対する取り組みの積極性を示し、企業のリソース配分が効果的であるかを評価する基準となります。

従業員の意識・行動変容に関する指標（パフォーマンス指標）

健康経営におけるパフォーマンス指標は、従業員の意識や行動に関連するものです。例えば、健康に関する社内イベントへの参加率や、健康管理に対する従業員の認識向上を測定する指標です。これらは、従業員の健康意識がどれだけ高まったかを反映し、健康経営の進捗を評価するうえで重要な指標となります。

健康関連の最終的な目標指標（アウトカム指標）

健康経営の最終的な目標は、経営課題の解決につながる最終的な成果目標を掲げることが一般的です。アウトカム指標として、従業員の健康増進の結果生じる生産性損失の改善（プレゼンティーズム・アブセンティーズムの改善）やワークエンゲージメント、医療費負担の適正化、企業イメージ向上などが考えられます。

指標設定のステップ

健康経営の成功には、指標を設定する際の適切なステップが欠かせません。まずは現状を把握し、その後課題に応じて目標を設定、最後に効果測定を行うなど、PDCAサイクルを意識することが重要です。

現状把握と分析（課題の抽出）

指標を設定するための第一歩は、企業の現状把握です。従業員の健康状態や職場環境、業務パフォーマンスなどを把握し、どの部分が改善すべき課題であるかを特定します。これにより、健康経営における焦点を絞り、取り組むべき指標を見極めることができます。

課題を基にした目標や指標の設定

現状分析に基づき、具体的な目標を設定し、それに対応する指標を決定します。たとえば、従業員の健康診断結果を基に改善目標を定め、達成すべき数値を具体的に設定します。課題に対して明確な数値目標を立てることで、進捗を測定しやすくなります。

効果測定・改善（PDCAサイクル構築）

目標設定後は、定期的に進捗を測定し、結果をもとに、改善策を立てるPDCAサイクルを回します。健康経営においては指標を定期的に評価し、効果を検証し、施策を改善し続けることが不可欠です。このサイクルが定着すれば、企業の健康経営は持続的に向上し、最終的に成果につながります。

指標の考え方の例

実際に健康経営の目的を達成するために、どのような指標を活用するかを見ていきましょう。

1.個人売上の向上（経営課題解決）

　従業員の健康が向上し、生産性が上がることで、企業の経営課題が解決される。

　例：営業職の売上増加、業務効率の向上、チームのパフォーマンス向上 など

2.アブセンティーズムやプレゼンティーズムの低減（健康関連の最終的な目標指標・目標指数）

　健康意識の向上と行動変容により、欠勤や病欠の減少を測る。

　例：病気による欠勤率の低下 など

3.従業員の行動に変化（行動変容指標）

　健康投資の結果として、従業員の行動に変化が生じているかを評価する。

　例：運動習慣の定着率、喫煙率の低下、食生活の改善 など

4.施策の実施（健康投資指標）

　従業員の健康促進を目的とした施策への参加率を測定する。

　例：健康診断受診率、健康セミナー参加率、フィットネスプログラムの利用率 など

サーベイとデータ分析の活用が重要

現状把握から効果測定までの一連の流れを支えるのが、サーベイとデータ分析の活用です。これにより、企業は定量的なデータを基に、健康経営の進捗状況を正確に把握し、次のステップに進むための指針を得ることができます。

現状把握から効果測定・改善までPDCAサイクルの仕組みを構築することが重要

企業はサーベイやデータ分析を活用し、PDCAサイクルを構築していくことが求められます。この仕組みにより、健康経営を長期的かつ効果的に推進することができます。

WellWaの健康経営支援サービス

WellWaでは、企業が健康経営を進めるために必要な支援サービスを提供しています。

サーベイ・データ分析支援

企業が健康経営の取り組みを持続させるためには、サーベイやデータ分析を駆使することが不可欠です。WellWaは、従業員の健康に関するデータを収集し、企業に適した施策を提案します。

健康経営のPDCAを回すための伴走支援

KIRIN naturalsは、企業が健康経営を発展させるために、PDCAサイクルを円滑に回せるよう支援します。これにより、企業は持続可能な健康経営を実現することができます。