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人的資本経営を成功させる5ステップ・フレームワーク完全ガイド

ISO30414や情報開示義務化により、人的資本経営は全企業に不可欠なテーマとなりました。

本記事では、経営と人事を結びつけ、属人的運用を防ぐ5ステップ・フレームワークを解説します。

目次[非表示]

  1. 1.人的資本経営とは?いま注目される背景と本質
    1. 1.1.ISO30414と人的資本の開示義務化が企業にもたらす影響
    2. 1.2.人的資本と人的費用の違い:投資思考への転換
    3. 1.3.経営戦略における人的資本経営の位置づけとは?
  2. 2.なぜ「フレームワーク」が成功の鍵となるのか
    1. 2.1.属人的運用の限界と再現性のある仕組みの必要性
    2. 2.2.フレームワークで「経営と人事の分断」を解消する
    3. 2.3.組織文化・人的リスク管理とフレームワークの相関性
  3. 3.人的資本経営の5ステップ・フレームワーク【完全解説】
    1. 3.1.Step1:目的の明確化と経営課題との整合性をとる
    2. 3.2.Step2:人的資本の可視化(定量・定性のデータ整備)
    3. 3.3.Step3:KPI設計とモニタリング体制の構築
    4. 3.4.Step4:評価・育成・配置制度との連動設計
    5. 3.5.Step5:人的資本の外部開示とステークホルダー対応
  4. 4.実行フェーズでつまずかないための3つのポイント
    1. 4.1.経営・人事・現場が協働する推進体制のつくり方
    2. 4.2.データ不足・分析困難を乗り越える現実的アプローチ
    3. 4.3.継続的な改善を実現するガバナンスとPDCA運用の仕組み
  5. 5.WellWaに学ぶ!人的資本経営を支えるウェルビーイング推進
    1. 5.1.企業課題を起点としたWellWa導入の背景と目的
    2. 5.2.チーム・ウェルビーイングで健康を「楽しく」促進する仕組み
    3. 5.3.ポイント制度と「食の福利厚生」でエンゲージメントを強化
    4. 5.4.健康のROI:投資対効果を「見える化」する25問サーベイ
  6. 6.まとめ:自社に合った人的資本経営の一歩を踏み出そう
    1. 6.1.自社の現状と課題から「どこから始めるか」を見極める
    2. 6.2.スモールスタートでフレームワークを社内に根付かせる
    3. 6.3.人的資本経営を通じて未来志向の組織へと進化させる

人的資本経営とは?いま注目される背景と本質

ISO30414と人的資本の開示義務化が企業にもたらす影響

近年、「人的資本経営」は経営の中核的テーマとして注目を集めています。その背景には、国際的な指針であるISO30414(人的資本報告ガイドライン)と、2023年度から始まった人的資本情報の開示義務化があります。

これまでは財務情報が中心だった有価証券報告書において、「人財育成」「エンゲージメント」「ダイバーシティ」「健康・安全」など、人に関する非財務情報を開示することが企業の義務となりました。これは、投資家が「人への投資とその成果」を評価対象とする時代への大きな転換を意味します。

特に中堅・中小企業でも、サプライチェーン上の要求や採用ブランディングの観点から、人的資本への対応は無視できないテーマとなっています。

人的資本と人的費用の違い:投資思考への転換

人的資本経営の本質は、「人財をコストではなく、将来の価値を生む資産(=資本)として捉える」という考え方です。これまでの「人件費=削減対象」という発想から、「人への投資=企業価値向上の源泉」へと転換する視点が求められています。

例えば、研修・育成・健康施策・職場環境整備といった取り組みを「費用」として見るのではなく、中長期的に生産性や定着率、創造性といったリターンをもたらす“投資”として捉えることが、人的資本経営の第一歩です。

この考え方が定着すれば、予算配分や経営判断も変わり、結果として持続可能な成長戦略につながるでしょう。

経営戦略における人的資本経営の位置づけとは?

人的資本経営は、人事部門の業務範囲を超え、経営そのものと密接に関係するテーマです。企業のビジョンや中期経営計画のなかに、どのように「人への投資戦略」を組み込むかが問われます。

例えば、「イノベーションを加速させたい」という経営目標に対して、どのようなスキル・文化・チーム体制が必要かを明確にし、それに向けた人財開発や働き方改革を計画・実行することが、人的資本経営の実践です。

つまり、人的資本経営は「人の力を戦略的に活かす設計図」として、経営と人事の接続点となる仕組みであるといえます。

なぜ「フレームワーク」が成功の鍵となるのか

属人的運用の限界と再現性のある仕組みの必要性

人的資本経営は、抽象的で幅広いテーマであるがゆえに、「やっているつもり」になってしまうケースが少なくありません。研修制度を導入しただけで満足してしまったり、従業員アンケートを取っても改善に結びつかなかったりといった状況です。

こうした属人的・場当たり的な運用では、継続性や成果の再現性は担保できません。そのため、誰が担当しても一定の成果が出せる「仕組み=フレームワーク」が重要になります。

フレームワークは、取り組みを段階的に整理し、「目的 → 実行 → 測定 → 改善」というプロセスを標準化することで、属人的運用の限界を突破します。

フレームワークで「経営と人事の分断」を解消する

多くの企業で課題となっているのが、「人事と経営が別々に動いてしまう」状態です。人事は現場視点での施策を考え、経営は財務的な成果を重視する、この温度差や目的のズレが、人的資本経営の定着を阻む要因になっています。

フレームワークを導入すれば、人事施策がどのように経営戦略とつながるかを可視化・説明可能になります。例えば、健康経営によって得られたデータを人的資本指標として経営層に報告することで、両者の対話が生まれ、組織全体が同じ方向を向くようになるでしょう。

組織文化・人的リスク管理とフレームワークの相関性

フレームワークは、「文化づくり」や「人的リスク管理」にも有効です。組織文化は目に見えないがゆえに後回しにされがちですが、フレームワークで言語化・構造化することで、変革の道筋が明確になります。

また、労働時間・メンタルヘルス・ハラスメントなどのリスク管理も、人的資本としての捉え方でPDCAを組み立てることが可能です。

企業の未来を守るという観点からも、フレームワークは人的資本経営の“実行可能性”と“持続性”を支える基盤といえるでしょう。

人的資本経営の5ステップ・フレームワーク【完全解説】

Step1:目的の明確化と経営課題との整合性をとる

人的資本経営は「やること」から入ると失敗しがちです。最初にすべきは、企業として何を実現したいのかという目的を明確にすることです。

「離職率を下げたい」「新規事業に必要なスキルを育てたい」など、経営課題と人財戦略の接続点を整理することで、後続のすべての施策に一貫性が生まれます。

Step2:人的資本の可視化(定量・定性のデータ整備)

次に取り組むべきは、人的資本の“見える化”です。定量データ(エンゲージメントスコア、離職率、研修時間など)と、定性データ(従業員の声、働きがい、組織風土の状態など)をバランスよく収集・整備する必要があります。

この段階で、健康経営のデータを活用すれば、「健康 × 働き方」の相関性を把握する手がかりになります。

Step3:KPI設計とモニタリング体制の構築

KPIの設計では、「達成したい成果」と「測定可能な行動指標」の両立が求められます。

「従業員エンゲージメントの向上」を掲げるなら、サーベイ回答率や改善提案の件数などをKPIとすることで具体的な追跡が可能になります。

同時に、ダッシュボードや定期レポートを活用したモニタリング体制の構築が、進捗管理と改善に不可欠です。

Step4:評価・育成・配置制度との連動設計

人的資本経営は、一過性のプロジェクトではなく制度と連動して初めて組織に根付くものです。

評価・育成・配置といった人事制度に、「どのような行動・価値観を促したいか」というメッセージを織り込み、個人の成長と組織の成果を連動させる仕掛けが求められます。

Step5:人的資本の外部開示とステークホルダー対応

最後のステップは、開示・発信です。投資家や取引先、求職者といった外部ステークホルダーに向けて、自社の人的資本への取り組みと成果を分かりやすく伝えることが信頼と評価につながります。

「可視化された人的資本」は、単なるIR情報ではなく、自社ブランディングの武器となるでしょう。

実行フェーズでつまずかないための3つのポイント

経営・人事・現場が協働する推進体制のつくり方

人的資本経営は、一部門だけの取り組みでは機能しません。経営・人事・現場が三位一体で推進できる体制づくりが鍵です。

特に現場が「やらされ感」を持たないよう、目的の共有と、施策設計への巻き込みが重要になります。

データ不足・分析困難を乗り越える現実的アプローチ

多くの企業が直面する課題が「そもそも人的資本データがない」「分析が難しい」という点です。

この課題を解消するためには、まずは健康データやサーベイデータといった“取りやすい指標”から始めることが有効です。

WellWaのようなツールを活用すれば、負荷をかけずにPDCAを回すベースデータを蓄積できます。

継続的な改善を実現するガバナンスとPDCA運用の仕組み

人的資本経営は継続が命です。制度をつくって終わりにせず、改善のサイクルが自動的に回るような仕組み=ガバナンスの確立が必要です。

KPIレビュー、現場の声の定期吸い上げ、経営レポートとの接続など、ルーチンに組み込む仕組みづくりが成功を左右します。

WellWaに学ぶ!人的資本経営を支えるウェルビーイング推進

企業課題を起点としたWellWa導入の背景と目的

WellWa(ウェルワ)は、健康経営をきっかけに人的資本経営へつなげるツールとして、多くの企業に導入されています。

導入の背景には、「エンゲージメントが低い」「施策が定着しない」「健康投資の効果が見えにくい」といった現場起点の課題がありました。

チーム・ウェルビーイングで健康を「楽しく」促進する仕組み

WellWaは、チーム単位で健康行動を共有・競い合う参加型プラットフォームです。

「楽しく取り組める」「部署ごとの雰囲気が良くなる」といった効果があり、組織横断的なエンゲージメントの向上に寄与します。

ポイント制度と「食の福利厚生」でエンゲージメントを強化

行動に応じて付与されるポイントが「健康的な飲食物」と交換できる仕組みも、WellWaの特長です。“おいしい”ご褒美があることで、参加率と継続率が飛躍的に高まります。WellWaのポイント制度について詳しくはこちらをご覧ください。

健康のROI:投資対効果を「見える化」する25問サーベイ

WellWaでは、25問の簡易サーベイで健康施策の効果や従業員満足度を定量的に測定できます。これは、人的資本情報開示に活用できる信頼性の高いデータとして評価されています。

まとめ:自社に合った人的資本経営の一歩を踏み出そう

自社の現状と課題から「どこから始めるか」を見極める

人的資本経営に「正解の型」はありません。大切なのは、自社の経営課題と人財の状態を照らし合わせて、必要な一歩を見極めることです。

スモールスタートでフレームワークを社内に根付かせる

いきなりすべてを実現しようとせず、小さな成功体験を積み重ねるスモールスタートが効果的です。WellWaを活用して健康施策の可視化から始めるのも一手です。

人的資本経営を通じて未来志向の組織へと進化させる

人的資本経営とは、未来に向けた組織変革の戦略です。経営・人事・現場が連携しながら、「人を活かす仕組み」を育てていくことこそが、企業の持続的な成長を支える力になります。


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