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10分でわかる人的資本経営とは?企業価値を高める“人”への投資戦略

人口減少や人材流動化で人財確保が難しい今、“人”を資本と捉える経営が重要です。

本記事では、人的資本経営の定義や注目される背景、企業価値向上につながる実践ポイントや具体的な取り組み例を交えてわかりやすく解説します。

目次[非表示]

  1. 1.人的資本経営とは?注目される背景と基礎知識
    1. 1.1.人的資本経営の定義と特徴
    2. 1.2.従来の経営との違い
    3. 1.3.世界・日本で注目される背景
  2. 2.なぜ今、人的資本経営が必要なのか
    1. 2.1.企業を取り巻く環境変化と人的資本の重要性
    2. 2.2.持続的成長のカギは“人”への投資
    3. 2.3.人的資本情報開示義務化の動向
  3. 3.成功する人的資本経営|差がつく3つのポイント
    1. 3.1.健康経営とウェルビーイング経営のシナジー
    2. 3.2.“数値化”と“見える化”で納得感を生む
    3. 3.3.チーム力とコミュニケーションで組織を活性化
  4. 4.人的資本経営で企業価値を高める“投資”の考え方
    1. 4.1.健康施策のROI(投資対効果)を可視化する
    2. 4.2.従業員満足度・エンゲージメント向上のインパクト
    3. 4.3.採用力・定着率・生産性アップの実例
  5. 5.WellWaが実現する人的資本経営の新しい形
    1. 5.1.WellWaとは?
    2. 5.2.チームで取り組む「たのしい健康経営」の特徴
    3. 5.3.データとサーベイによる投資効果の可視化
  6. 6.まとめ|人的資本経営を始めるためのファーストステップ
    1. 6.1.すぐ始められる“小さな一歩”とは
    2. 6.2.経営層・人事担当者が持つべき視点
    3. 6.3.今始める企業が得る未来価値

人的資本経営とは?注目される背景と基礎知識

人的資本経営の定義と特徴

人的資本経営とは、従業員を単なる「コスト」ではなく「資本」として捉え、戦略的に人財に投資する経営手法です。財務指標や設備投資に偏らず、人的資本—すなわち従業員の能力、経験、エンゲージメント、健康、心理的安全性など—を中長期的な企業価値の源泉と位置づけます。

この考え方では、「採用して終わり」「研修して終わり」ではなく、育成・活躍・定着・健康までの一連の人財マネジメントサイクル全体を見直すことが求められます。特に近年では、エンゲージメントスコアやプレゼンティーズム(出勤はしているが生産性が低い状態)などの非財務指標も注目されています。

従来の経営との違い

従来の経営は「ヒト・モノ・カネ」のうち、ヒトを“管理対象”として扱う傾向がありました。しかし、人的資本経営では人財こそがイノベーションと競争力の源泉とされます。違いを端的に表すなら、「管理する人事」から「投資する経営」への転換といえます。

また、財務諸表に表れない人的価値を可視化し、戦略として実行・開示する点も大きな違いです。組織文化や心理的安全性といった“無形資産”にも光を当て、企業全体の価値向上を図ります。

世界・日本で注目される背景

人的資本経営が注目されている背景には、ESG(環境・社会・ガバナンス)投資の拡大があります。特に「S=社会」の文脈で、企業の人財戦略が投資家から厳しく評価されるようになりました。

グローバルでは、ISO30414(人的資本情報の開示に関する国際ガイドライン)が2018年12月に発行され、人的資本の透明性が求められています。日本でも、2023年3月期以降の有価証券報告書で人的資本情報開示が義務化され、人的資本経営はもはや「やる・やらない」ではなく「どうやるか」が問われるフェーズに入りました。

出典:経済産業省「人的資本可視化指針

なぜ今、人的資本経営が必要なのか

企業を取り巻く環境変化と人的資本の重要性

人口減少、技術革新、価値観の多様化。こうした構造的な変化に直面する今、企業にとって最大の資産は「人」です。定型業務の自動化が進む一方で、創造性や共創力といった“人にしかできない価値”の重要性が高まっています。

また、コロナ禍を経て、従業員の健康やウェルビーイングが企業の持続可能性に直結することが広く認識されるようになりました。こうした潮流の中で、人財をいかに活かし、守り、育てるかが、経営の優先課題となっています。

持続的成長のカギは“人”への投資

短期的な利益ではなく、中長期的な企業価値向上のためには、“人”への継続的な投資が不可欠です。研修やスキル開発、健康支援、働き方の柔軟性向上といった施策は、従業員のパフォーマンスやロイヤルティを高め、結果として企業の成長を支えます。

キリングループが提供する「WellWa(ウェルワ)」などのように、健康習慣の定着とエンゲージメント向上を同時に実現する仕組みが注目されているのもそのためです。人的資本経営は“人事部だけのもの”ではなく、経営戦略の中核なのです。

人的資本情報開示義務化の動向

2023年3月期以降、日本の上場企業約4,000社には「人的資本情報の開示」が義務付けられました。これは、金融庁が企業に対し、有価証券報告書に「人的資本に関する情報」を記載するよう要請したことによるものです。

具体的には、以下のような情報の開示が求められています。

  • 女性管理職比率・男性育児休業取得率・男女間賃金格差
  • 人財育成方針・社内環境整備方針

これにより、企業は“説明責任”を果たすだけでなく、人的資本に関する取り組みを競争優位性として活用できるようになりました。情報開示はリスクではなく、ブランディングの一貫とも言えるでしょう。

成功する人的資本経営|差がつく3つのポイント

健康経営とウェルビーイング経営のシナジー

人的資本経営を真に機能させるには、「健康経営」や「ウェルビーイング経営」との相乗効果を見逃せません。どれほどスキルの高い人財でも、心身が不調であれば本来のパフォーマンスは発揮できません。従業員一人ひとりの“健やかさ”を支える仕組みが、組織全体の活力につながります。

健康施策を通じて「自己効力感(自分はやれる)」が高まり、職場にポジティブな循環が生まれます。こうした環境は、イノベーションや自発的行動の土壌ともなり、人的資本の本質的な価値を引き出す要因となります。

“数値化”と“見える化”で納得感を生む

人的資本経営では「可視化」が成否を分けます。特に経営層に対しては、エンゲージメントスコアやプレゼンティーズム改善度といった定量的なエビデンスが求められます。

KPIやサーベイによるスコア管理はもちろん、部署ごとの傾向や変化の推移をグラフ化することで、現場でも納得感をもって改善を進めることが可能になります。人的資本の「ストーリー」と「数字」をつなぐ仕組みが、持続的な投資を支える基盤になります。

チーム力とコミュニケーションで組織を活性化

人的資本は、個人だけでなく“チーム”にも宿ります。職場の信頼関係や対話の質は、見えにくいながらも生産性や離職率に大きく影響します。部門横断の取り組みや、業務外での健康活動を通じてコミュニケーションを促進することは、組織文化の成熟にもつながります。

WellWaでは、部署対抗イベントやスタンプ機能などを活用し、自然な対話と連帯感を生む仕掛けが設計されています。こうした“人と人のつながり”こそ、企業が育てるべき資本の一つです。

人的資本経営で企業価値を高める“投資”の考え方

健康施策のROI(投資対効果)を可視化する

人的資本経営の推進には、感覚的な善し悪しではなく、経済合理性に基づく判断材料が欠かせません。健康施策を「福利厚生費」として扱うのではなく、「投資」としてROIを算出する視点が求められます。

企業の健康経営分析によれば、従業員の生活習慣(食事・運動・睡眠・飲酒)を改善するだけで、年間10~20万円/人程度の生産性向上につながるという研究結果もあります。このように、健康施策は明確な経営効果を持つ取り組みといえるのです。

従業員満足度・エンゲージメント向上のインパクト

働きがいのある環境は、従業員の定着率やパフォーマンスに直結します。人的資本経営の一環として健康支援や柔軟な働き方を整備することで、「この会社で働き続けたい」と思える要因が増えていきます。

従業員満足度が向上すると、社内の推薦採用や口コミの広がりにも好影響が生まれます。つまり、エンゲージメントの強化は単なる「社内施策」ではなく、採用力や外部ブランド力の強化にも寄与する戦略的要素なのです。

採用力・定着率・生産性アップの実例

人的資本経営をいち早く取り入れた企業の中には、離職率の低下や採用応募数の増加といった成果を上げているケースが多くあります。特に健康経営銘柄やホワイト500などへの認定は、企業の「人的資本重視」を象徴するステータスとなっており、就職希望者からの信頼獲得にも効果的です。

また、日々の健康データを活用して体調管理や働き方の改善を行うことで、プレゼンティーズムの解消と業務効率向上を両立できるようになります。これらの要素が掛け合わさることで、結果的に企業価値全体の向上に貢献するのです。

WellWaが実現する人的資本経営の新しい形

WellWa概念図。嬉しい、おいしい健康アクション。つながり、楽しむ健康アクション。

WellWaとは?

WellWa(ウェルワ)は、キリンビバレッジが開発したチーム型ウェルビーイングアプリです。従業員の健康習慣を「一人で黙々と行う」ものではなく、「みんなで楽しく続ける」文化に変えることを目的としています。

従来の健康管理ツールとは異なり、組織横断のコミュニケーションとウェルビーイング向上の両立を可能にしています。

チームで取り組む「たのしい健康経営」の特徴

WellWaの最大の特徴は、「チームで取り組む楽しさ」にあります。部署ごとの健康イベントやスタンプ機能を通じて、自然な声かけや応援が生まれ、健康×チームビルディングを同時に実現できます。

また、貯めたポイントを社内の「食の福利厚生」で使える仕組みも、健康施策の実効性と参加率を高める工夫として機能しています。

データとサーベイによる投資効果の可視化

WellWaには、25問で健康・エンゲージメント・生産性の変化を可視化できる独自サーベイが搭載されています。この分析モデルにより、健康習慣改善が生産性に与える金額インパクトを算出可能です。

これは、人的資本投資を“費用”ではなく“成果を生む投資”として捉え直す重要な視点を提供しており、経営層にとっても納得度の高いエビデンスになります。

まとめ|人的資本経営を始めるためのファーストステップ

すぐ始められる“小さな一歩”とは

人的資本経営と聞くと大がかりな取り組みを想像するかもしれませんが、まずは健康施策や簡易サーベイの導入といった“小さな一歩”から始めることで十分です。重要なのは、形だけではなく、実態を伴う運用を意識することです。

経営層・人事担当者が持つべき視点

担当者に求められるのは「制度を作る人」ではなく、「組織の未来をつくる人」としての視点です。経営層は数値と戦略の整合性を、人事は現場の声と施策の橋渡しを、それぞれの役割で支えることが求められます。

今始める企業が得る未来価値

人的資本経営は、短期的なコストではなく未来への投資です。今取り組む企業は、採用力・生産性・ブランド力のあらゆる側面で差別化を図ることができます。

健康経営やウェルビーイング支援を起点に、人的資本経営の第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。WellWaのような仕組みの導入は、その一歩として有効な選択肢となるでしょう。


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