catch-img

運動不足はメンタルにどう影響する?企業ができる対策とは

現代の働き方改革やテレワーク普及により、運動不足は多くのビジネスパーソンにとって深刻な課題となっています。特に、運動不足がメンタルヘルスに与える悪影響は、科学的エビデンスによっても明らかです。うつ症状やストレス、不安の増加は、生産性低下や離職率上昇といった企業経営にも直結します。本記事では、運動不足とメンタルの関係、企業が実践できる運動習慣促進策、健康経営の観点からの効果的な施策設計までをわかりやすく解説します。

目次[非表示]

  1. 1.運動不足とメンタルヘルスの関係とは
    1. 1.1.科学的に証明されている運動とメンタルの相関性
    2. 1.2.セロトニン・ドーパミンなど神経伝達物質の観点からの解説
    3. 1.3.うつ・不安・ストレスとの関係と企業の関与の必要性
  2. 2.なぜ現代の働き方は運動不足を引き起こすのか?
    1. 2.1.テレワーク・長時間座位・通勤減少の影響
    2. 2.2.運動機会の「自助努力」頼みでは限界がある
  3. 3.運動不足がもたらす具体的な心身へのリスク
    1. 3.1.精神面:気分の落ち込み・集中力低下・睡眠障害
    2. 3.2.身体面:生活習慣病・肩こり・免疫力の低下
    3. 3.3.業務面:プレゼンティーズム・生産性低下
  4. 4.メンタル改善に効果的な「運動の習慣化」とは
    1. 4.1.有酸素運動・ストレッチ・軽い筋トレの効果
    2. 4.2.毎日15分からでもOK:継続可能な運動設計
    3. 4.3.習慣化を促す仲間・環境・報酬の仕掛け
  5. 5.WellWaを活用した「運動×メンタル改善」
    1. 5.1.歩数・体重・生活記録で運動量の見える化ができる
    2. 5.2.チャレ活・健康選手権で楽しく運動を習慣化
  6. 6.社内でできる運動不足対策と導入の工夫
    1. 6.1.朝礼ストレッチ・1分運動・階段利用促進などの実例
    2. 6.2.組織ぐるみで運動を促す「参加型イベント」の設計
    3. 6.3.WellWaで部署対抗・ポイント制度を簡単に導入
  7. 7.まとめ|運動習慣の社内定着が心の健康を支える
    1. 7.1.メンタル不調対策は「予防」から始める時代
    2. 7.2.行動変容の仕掛けとデータ活用が成功の鍵
    3. 7.3.WellWaを味方に「心身ともに健康な組織」を実現しよう

運動不足とメンタルヘルスの関係とは

科学的に証明されている運動とメンタルの相関性

「運動はメンタルに良い」という主張は、もはや経験則ではなく、科学的なエビデンスによって裏づけられています。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」や、世界保健機関(WHO)の「WHO身体活動・座位行動ガイドライン2020」など、複数の公的機関が、適度な有酸素運動がストレス、不安、うつ病の軽減に効果的であると報告しています。

中でも注目されているのは、1日30分程度のウォーキングやジョギングが、薬物療法と同程度の抗うつ効果をもたらすという研究結果です。このことからも、日常的な運動習慣がメンタルヘルスの改善・予防において中核的な役割を果たすことがわかります。

出典:厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」/WHO「身体活動・座位行動ガイドライン2020

セロトニン・ドーパミンなど神経伝達物質の観点からの解説

脳内では、感情や意欲をコントロールする複数の神経伝達物質が働いています。その中でも、セロトニンは「心の安定ホルモン」として知られており、不足すると気分の落ち込みや不安症状を引き起こすとされています。また、ドーパミンは達成感や意欲に関与し、仕事の集中力や前向きな思考にも影響を与えます。

運動は、これらの神経伝達物質の分泌を促進する重要なトリガーです。軽度〜中等度の有酸素運動を継続的に行うことで、セロトニンやドーパミンの分泌が活性化され、情緒の安定やストレスの解消につながることが明らかになっています。

さらに、βエンドルフィンという脳内麻薬とも称される快楽物質も、運動によって増加します。これがランナーズハイに代表されるような、運動後の爽快感やポジティブな感情につながっているのです。

出典:文部科学省「スポーツが健康にもたらす効果等のエビデンスに関する調査研究(令和5年度)

うつ・不安・ストレスとの関係と企業の関与の必要性

うつ病や不安障害といったメンタル不調は、決して一部の人に限られた問題ではなく、現代社会では誰にでも起こりうるリスクです。そして、その要因として「慢性的な運動不足」が見過ごされがちな一因であることは、企業としても注目すべき事実です。

近年では、厚生労働省や経済産業省が推進する「健康経営」でも、メンタルヘルスケアを重要な柱の一つと位置づけており、その中で運動習慣の支援が注目されています。従業員の心身の安定が、生産性の向上、離職率の低下、職場の一体感につながることは、多くの調査で実証されています。

出典:厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」/WHO(世界保健機関)「身体活動・座位行動ガイドライン2020

なぜ現代の働き方は運動不足を引き起こすのか?

テレワーク・長時間座位・通勤減少の影響

働き方改革やパンデミックを契機に、テレワークや在宅勤務が急速に普及しました。一方でその副作用として、日常的な身体活動量の著しい減少が問題視されています。通勤やオフィス内の移動がなくなり、自宅で長時間座りっぱなしの生活が続くことで、筋力低下や血行不良、そして心身のリズムの乱れが生じています。

加えて、仕事とプライベートの境界が曖昧になることで、オンとオフの切り替えが難しくなり、気分転換や休息の機会も減少しています。これらはすべて、運動不足の常態化を促進し、知らず知らずのうちにメンタルにも悪影響を与える要因となっているのです。

運動機会の「自助努力」頼みでは限界がある

もちろん、「運動しましょう」と推奨することは大切です。しかし現実には、忙しい日常の中で、自主的に運動を習慣化するのは難易度が高く、多くの人が三日坊主で終わってしまいます。健康意識の高い層にしか届かないメッセージでは、組織全体の改善にはつながりません。

ここに企業の介入が求められます。「やってみよう」と思えるきっかけの提供、「続けたくなる」仕組みの設計が、社員一人ひとりの行動を後押しするのです。

運動不足がもたらす具体的な心身へのリスク

精神面:気分の落ち込み・集中力低下・睡眠障害

運動をしない日が続くと、なんとなく気分が晴れず、やる気も出ない。こうした状態は、多くの人が経験していることでしょう。実際、運動不足はうつ症状や不安感のリスクを高めるとされ、集中力や判断力の低下、イライラしやすくなるなど、業務パフォーマンスへの影響も小さくありません。

また、運動は睡眠の質とも密接に関係しており、身体が適度に疲れることで、深い眠りに入りやすくなることが分かっています。睡眠の質の低下は、翌日の疲労感や注意力の散漫を引き起こし、結果として業務効率の悪化につながります。

身体面:生活習慣病・肩こり・免疫力の低下

運動不足は、糖尿病・高血圧・脂質異常症などの生活習慣病の大きなリスク要因となります。また、同じ姿勢で長時間作業を続けることによる肩こりや腰痛、血行不良も頻発し、これが慢性的な体調不良につながります。

さらに、運動によって得られる「免疫細胞の活性化」が失われることで、風邪をひきやすくなったり、疲れやすくなったりと、日常的な体調不良の頻度も高まります。こうした体調不良は、メンタルにも悪影響を及ぼすため、身体と心は切り離して考えることができません。

業務面:プレゼンティーズム・生産性低下

健康問題が業務に及ぼす影響の中でも特に深刻なのが「プレゼンティーズム」です。これは、社員が出社していても心身の不調で本来のパフォーマンスを発揮できない状態を指します。

運動不足によって蓄積される心身の疲労は、まさにこの状態を引き起こす温床です。しかも、欠勤(アブセンティーズム)と異なり、表面化しにくいため見過ごされがちです。実際には、企業にとっては大きな経済的損失となっているケースも珍しくありません。

メンタル改善に効果的な「運動の習慣化」とは

有酸素運動・ストレッチ・軽い筋トレの効果

メンタルヘルスの改善に役立つ運動は、決して激しいトレーニングに限りません。ウォーキングやジョギングといった軽度〜中度の有酸素運動は、セロトニン分泌を促し、気分を落ち着ける効果があるとされています。また、ストレッチによる血行促進は、肩こり・頭痛といった身体的不調の改善とともに、リラックス効果をもたらします。

さらに、軽い筋トレも効果的です。特に体幹や下半身を使った運動は、達成感や自己効力感を高め、ポジティブな感情の喚起につながります。大切なのは、難しすぎないことと、日常生活に取り入れやすいこと。まずは気持ちよく体を動かすことから始めることが、継続への第一歩です。

毎日15分からでもOK:継続可能な運動設計

健康づくりやメンタル改善には「継続」が重要です。厚生労働省の調査によれば、1回30分の運動と1回10分の運動を3回に分けて行っても同じ効果が得られることが分かっており、短時間でも継続することが重要とされています。

「時間がない」「疲れている」多くの社員が抱えるこうした壁を乗り越えるには、「短くてOK」「家でもOK」という心理的ハードルの低さがポイントです。例えば、業務前の5分ストレッチや、昼休みの軽いウォーキングなど、すき間時間の活用が鍵となります。

出典:厚生労働省「内臓脂肪減少のための身体活動量

習慣化を促す仲間・環境・報酬の仕掛け

行動変容の継続には、「人」「場」「目的」の3要素が欠かせません。仲間と一緒に取り組むことは、運動を「習慣」ではなく「イベント」として楽しむ視点を加え、継続率を高めます。

また、部署対抗やポイント制などの報酬設計は、行動を起こすための後押しになります。「やってみよう」と思わせ、「続けたくなる」設計こそが、企業に求められる環境づくりの本質です。

WellWaを活用した「運動×メンタル改善」

歩数・体重・生活記録で運動量の見える化ができる

WellWaの最大の強みの一つが、行動ログの見える化です。社員がスマートフォンと連携し、日々の歩数や体重、食事、睡眠などを簡単に記録できる仕組みが整っています。

これにより、ただ運動をしようとするのではなく、自分の生活習慣を振り返りながら改善の意識を高めることができます。可視化された情報は、管理職によるフォローアップや、チーム全体での成果共有にも活用可能です。

チャレ活・健康選手権で楽しく運動を習慣化

WellWaの「チャレ活」や「健康選手権」は、チームで取り組むミッション形式のプログラムです。「1日5,000歩チャレンジ」「ストレッチ週間」などのミッションを通じて、楽しさ・達成感・仲間とのつながりを運動に取り入れることができます。

「つらい」「続かない」となりがちな運動に“ゲーム性”を持たせることで、気軽に楽しく始められる運動習慣を社内に定着させることが可能です。

社内でできる運動不足対策と導入の工夫

朝礼ストレッチ・1分運動・階段利用促進などの実例

取り組みの第一歩として有効なのが、「朝礼ストレッチ」や「1分間エクササイズ」といったライトな社内施策です。会議の合間や始業前に簡単な動きを取り入れることで、運動の心理的ハードルを下げ、組織全体に“動くこと”への肯定的な雰囲気が広がります。

また、エレベーターではなく階段を使う、昼休みに10分歩くなどの行動を促すメッセージや仕掛けを、社内掲示板やSlackなどで発信することも有効です。

組織ぐるみで運動を促す「参加型イベント」の設計

社員一人ひとりの自助努力に頼るのではなく、「組織全体で取り組む」姿勢を打ち出すことが成功のカギです。全社一斉で行う「歩数チャレンジ月間」や、部署対抗の「健康習慣コンテスト」などのイベントを企画すれば、運動が職場の文化へと昇華されていきます。

ポイント制度や称賛メッセージの仕組みを組み合わせることで、個人・チームのモチベーション維持にもつながるでしょう。

WellWaで部署対抗・ポイント制度を簡単に導入

こうした参加型施策の設計・運用において、WellWaは非常に心強いツールです。部署単位でのランキングやミッション進捗の可視化、ポイント蓄積と報酬設計まで一括で管理できるため、健康経営担当者の負担を大きく軽減できます。

今後は家族向け機能の拡充も予定されており、従業員の外のつながりも取り込みながら、より開かれた健康支援が可能になります。

まとめ|運動習慣の社内定着が心の健康を支える

メンタル不調対策は「予防」から始める時代

これまでのメンタル対策は、問題が起きた後の対処が中心でした。しかし、これからの時代は、日常の運動習慣や職場のコミュニケーションを通じて、不調を事前に予防する姿勢が問われています。軽い運動は、最も身近で効果的なメンタルケアのひとつです。

行動変容の仕掛けとデータ活用が成功の鍵

重要なのは、良いことを伝えるだけでなく、やってみたくなる仕掛けを組み込むことです。そして、その効果を数字で可視化し、社内で共有・継続していく仕組みを整えること。行動とデータをセットにすることで、健康経営の取り組みはブレなくなります。

WellWaを味方に「心身ともに健康な組織」を実現しよう

社員の心の健康を守るには、身体を動かすことから始めるのが最も効果的です。WellWaを活用すれば、個人の意識改革・チームの巻き込み・データでの可視化を一気通貫で支援することができます。

ぜひ貴社でも、WellWaを通じた「運動×メンタル」施策の第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

CONTACT

健康経営や福利厚生でお悩みの方は
お気軽にご相談ください

ご相談・お問い合わせ

ご不明な点はお気軽に
お問い合わせください

資料ダウンロード

人気のお役立ち資料は
こちらから

コラム閲覧ランキング